「ギャハハハ!」その笑い声、もう限界です
「アハハハハ!」
「ギャハハハ!」
お疲れさまです。
今日もオフィスに響く、あの大きな笑い声に頭を抱えていませんか?
集中して作業していたのに、突然の大爆笑で思考が途切れる…。
Teams会議中なのに、背後から聞こえる甲高い笑い声で相手の声が聞こえない…。
そんな経験、きっと誰にでもありますよね。
「注意したいけど、笑うなとは言えないし…」
「でも、このままだと仕事に支障が出る」
そんなジレンマを抱えている方も多いのではないでしょうか。
大丈夫です。適切な手順を踏めば、相手を傷つけることなく改善を促すことができます。
まずは状況をきちんと把握することから始めましょう。
まず状況把握(頻度・時間帯・業務影響)
感情的にならず、冷静に対処するためには客観的な状況把握が不可欠です。
記録テンプレ(いつ/どこで/何分/影響)
以下のような簡単なメモを1週間程度取ってみましょう:
記録例:
- 日時:4月15日(月)10:15~10:30
- 場所:会議室B横の共用スペース
- 継続時間:約15分間
- 業務への影響:Teams会議で相手の声が聞き取れず、議事録に抜けが発生
このような記録を取ることで、パターンが見えてきます。
「毎日10時頃」「会議室の近く」「特定の人との会話時」など、傾向がわかれば対策も立てやすくなります。
自分の感じ方と事実の分離(主観→客観)
感情と事実を分けて整理することも重要です。
主観的な感情: 「イライラする」「うるさい」「非常識だ」
客観的な事実: 「笑い声が聞こえる」「会議の音声が聞き取りにくい」「集中が途切れる」
事実ベースで話すことで、相手も受け入れやすくなり、建設的な解決策を見つけやすくなります。
大きな笑い声が起きやすい心理背景
相手の心理を理解することで、より適切なアプローチができるようになります。
緊張ほぐし・場の盛り上げ・無自覚
多くの場合、大きな笑い声は以下のような心理から生まれています:
緊張をほぐしたい
重要な会議や新しいプロジェクトでの緊張感を、笑いで和らげようとしている
場を盛り上げたい
チーム全体の雰囲気を明るくしたい、みんなを楽しませたいという善意の気持ち
音量への無自覚
自分の声の大きさに気づいていない、家庭環境での音量感覚との違い
これらはすべて悪意のない行動であり、むしろ職場に貢献したいという前向きな気持ちの表れでもあります。
オンライン会議での音量感覚のズレ
特にリモートワークが増えた現在、音量感覚のズレが起きやすくなっています:
- ヘッドフォン使用時の音量調整の難しさ
- 画面越しでの相手の反応がわかりにくい
- オフィス環境とのギャップ
オンライン会議では、普段より大きな声で話す必要があると感じる人も多く、その延長で笑い声も大きくなりがちです。
角を立てない注意の基本フレーム(DESC法)
DESC法は、相手を責めることなく自分の気持ちを伝える効果的な方法です。
D(事実)→E(感情)→S(提案)→C(合意)
D(Describe:事実の描写)
客観的な事実を述べる 「○時頃、会議室付近で笑い声が聞こえました」
E(Express:感情の表現)
自分の感情や影響を「I(私は)」メッセージで伝える 「私は隣でTeams会議をしていて、相手の声が聞き取りにくくなりました」
S(Specify:具体的提案)
建設的な解決策を提案 「可能でしたら、会議時間中だけドアを閉めていただけませんか」
C(Consequences:合意形成)
相手の意見を求め、合意を得る 「いかがでしょうか?」
相手が上司/同僚/取引先の場合の違い
上司の場合
より丁寧な表現を使い、業務効率への影響を中心に伝える
同僚の場合
カジュアルな関係性を活かし、お互いの働きやすさを重視
取引先の場合
直接的な指摘は避け、環境調整や間接的なアプローチを優先
場面別・伝え方の例文
実際に使える例文を、コミュニケーション手段別にご紹介します。
口頭(席の近くで/会議後に)
例文(口頭)
「いまの打合せ中、笑い声が周りにも響いていました。(D)私は隣席でミーティングに集中しづらくなってしまって…(E)次回はドアを閉めるか、声量を少し抑えてもらえると助かります。(S)どうでしょう?(C)」
より親しい同僚の場合
「お疲れさま!さっき楽しそうでしたね。実は隣でお客様と電話してたんですが、少し声が大きくて相手に聞こえちゃったかも。次からちょっとだけ気にかけてもらえる?」
Slack/Teamsでの一言メッセ
例文(Slack短文)
「すみません、近くで別ミーティング中でした。笑い声が少し響いていたので、次からドア閉め or 声量控えめだけお願いできますか?」
より簡潔版
「お疲れさまです!会議中で音が入ってしまいました💦 次回からドア閉めor音量少し下げてもらえると助かります🙏」
メール/社内チャットの丁寧文
例文(メール丁寧文)
「○○様 いつも場を和ませていただきありがとうございます。最近、会議時間帯に笑い声が周囲に広がり、打合せに集中しづらいケースがありました。可能でしたらドア閉鎖や声量のご配慮をお願いできますと大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。」
人事・上長に相談する時のメモ
例文(上長・人事へ)
「○月○日〜○日、席番号A-12付近での会話・笑い声が毎日10:00〜10:30頃に発生。Teams会議で相手の声が聞き取れず、議事録に抜けが出ました。席配置か会議室利用の検討をお願いしたいです。」
NG表現と回避策
トラブルを避けるために、使ってはいけない表現を確認しておきましょう。
「人格批判」「決めつけ」「性別・年齢に言及」は厳禁
NG表現例:
- 「○○さんはいつも騒がしい」(人格批判)
- 「空気が読めない人ですね」(決めつけ)
- 「女性の甲高い声は…」(性別への言及)
- 「若い人は音量感覚が…」(年齢への言及)
OK表現例:
- 「この時間帯に声が響くことがあります」
- 「会議の音声が聞き取りにくくなります」
- 「集中しやすい環境を作りたいと思います」
笑いを”禁止”しない代替案の提案
「笑わないで」ではなく、「こうしてもらえると助かる」という代替案を提示しましょう:
- 会議室のドアを閉める
- 音量を少し下げる
- 時間帯を考慮する
- 場所を移動する
再発防止(ルール化・レイアウト・ツール)
根本的な解決のためには、環境整備も重要です。
会議中のドア閉鎖/簡易吸音パネル/ホットデスク
会議中のドア閉鎖ルール
会議室利用時は必ずドアを閉める、オープンスペースでの会議は控える
簡易吸音パネルの設置
デスク周辺にパーティションや吸音材を設置して音の拡散を防ぐ
ホットデスク制度の活用
その日の業務内容に応じて集中エリア、コミュニケーションエリアを使い分ける
具体的な環境改善案:
- 「静音タイム」の設定(午前10-12時、午後2-4時など)
- 音量ガイドラインの作成と掲示
- 会議室予約システムの活用推進
まとめ:相互理解で快適な職場環境を
大声で笑う人への対応は、感情的にならず段階的にアプローチすることが重要です。
まずは客観的な状況把握から始め、相手の心理背景を理解した上で、DESC法を使って建設的な提案を行う。
そして何より、相手の気持ちを尊重しながら、お互いが働きやすい環境を作っていくことが大切です。
笑い声自体は職場を明るくする素晴らしいものです。
ただ、時と場所を考慮することで、みんながもっと快適に働けるようになるでしょう。
個人の努力だけでなく、チーム全体での環境整備も進めながら、理想的な職場環境を目指していきたいですね。
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