職場で、
「ンンッ!」
という咳払いが聞こえる。
一回なら何とも思いません。
でも数分後、
「ンッ!……ンンッ!」
そしてまた、
「エヘンッ!」
これが朝から何十回も続くと、こちらの集中力も少しずつ削られていきます。
しかも咳払いは厄介です。
鼻すすりやため息と同じで、
体調の問題かもしれない。
だから、
「うるさいのでやめてください」
とは非常に言いづらい。
相手は苦しくてやっているのかもしれません。
でもこちらも、毎回突然飛んでくる「ンンッ!」に反応して仕事が止まっている。
どっちも地味につらい。
この記事では、職場で咳払いがうるさい人に、角を立てずどう伝えるかを具体的な例文つきで紹介します。
職場の音全般に悩んでいる人はこちらも参考にしてください。
→ 職場の「うるさい人」がしんどい…ストレスになる音一覧と静かに生き残る対処法
→ ミソフォニアとは?職場の音ストレスで限界な人が「気にしすぎじゃない」と思える話
咳払いはなぜこんなに注意しづらいのか
咳払いは、単なるクセとは限りません。
喉の違和感、乾燥、風邪、アレルギーなど、本人にも事情があるかもしれません。
だからこそ、
「やめてほしい」と言うこと自体に罪悪感が出やすい
のが特徴です。
一方で、繰り返される音がつらい人にとっては、
事情があることと、音が気になることは別問題
です。
相手に悪気がなくても、集中が切れるものは切れます。
ここを無理に、
「体調なら仕方ない」
だけで終わらせると、こちらだけが我慢し続けることになります。
本人に直接言う?上司に相談する?
咳払いの場合は、他の音よりも少し慎重に考えた方がいいでしょう。
本人へ直接伝える方法もありますが、相手との関係や頻度によっては、上司へ相談した方が角が立ちにくいこともあります。
本人に伝えやすいケース
普段から普通に話せる同僚で、
「少しお願いがあるんだけど」
と言える関係なら、本人へやんわり伝えてもよいでしょう。
この場合、
「咳払いをやめて」ではなく、「音が頻繁に聞こえて集中が切れる」
と伝えます。
たとえば、
「すみません、ちょっと言いにくいんですけど、咳払いの音が結構頻繁に聞こえてきて、集中していると少し気になってしまうことがあって……。体調のこともあると思うので恐縮なんですが、できる範囲で少し気にしてもらえると助かります」
かなり柔らかめです。
上司に相談した方がいいケース
次のような場合は、無理に本人へ言わなくても構いません。
- 相手が上司や先輩
- 相手が怒りやすい
- かなり頻繁で仕事に影響している
- 自分から体調に関わる話をするのが怖い
- 以前ほかのことで注意して揉めたことがある
上司へは、
「咳払いをやめさせてください」ではなく、「頻繁な音で集中が難しい」
という相談にします。
咳払いをやめてほしいときの角が立ちにくい伝え方
咳払いについて伝えるときは、
相手の体調に踏み込みすぎない
ことが重要です。
「病院に行った方がいい」は言わない
たとえば、
「そんなに咳払いするなら病院行った方がいいですよ」
「喉の病気じゃないですか?」
という言い方は避けましょう。
相手の健康状態は、こちらには分かりません。
こちらが伝えたいのは、
診断ではなく、職場で聞こえている音について
です。
医療面まで踏み込むと、必要以上に話が大きくなります。
「無意識かもしれない」と逃げ道を作る
本人が自分の咳払いに気づいていない可能性もあります。
そのため、
「もし無意識だったら」
と一言入れると、相手を責める印象が弱くなります。
「もし無意識だったら申し訳ないんですが、咳払いの音が結構こちらまで聞こえてきていて……」
この入り方なら比較的言いやすいでしょう。
咳払いがうるさい人への口頭例文
実際に使える形を、強さ別に紹介します。
かなり柔らかく伝える場合
「すみません、ちょっと言いにくいことなんですけど、咳払いの音が結構こちらまで聞こえてきて、集中していると気になることがあるんです。体調のこともあると思うので恐縮なんですが、できる範囲で少しだけ気にしてもらえると助かります」
初回なら、このくらいで十分です。
相手の事情を否定せず、こちらの困りごとだけを伝えています。
もう少しはっきり伝える場合
「すみません。咳払いの音がかなり頻繁に聞こえていて、仕事中に何度も集中が途切れてしまっています。難しい場合もあると思うのですが、可能な範囲で少し控えていただけませんか?」
長期間続いているなら、ここまで具体的にしてもよいでしょう。
親しい同僚へ伝える場合
「ごめん、咳払いが結構こっちまで聞こえてて、集中してると毎回そっちに意識持ってかれちゃうんよ。体調とかだったらごめんなんだけど、少しだけ気にしてもらえると助かる」
親しい相手なら、このくらい砕けても構いません。
ただし、
「おじさんみたいな咳払いしてるよ」
など、笑いに持っていくのはおすすめしません。
相手によっては普通に刺さります。
チャットで咳払いについて伝える例文
口頭で言うのが難しい場合は、社内チャットで伝える方法もあります。
文字は冷たく見えやすいので、少し丁寧にします。
同僚へのチャット例文
お疲れさまです。少し言いづらいことなのですが、仕事中に咳払いの音が頻繁に聞こえてくることがあり、集中が途切れてしまうことがあります。体調など事情もあると思うので恐縮ですが、可能な範囲で少しだけ気にしていただけると助かります。突然こんなお願いをしてすみません。
「頻繁に聞こえる」
「集中が途切れる」
という事実だけを書いています。
上司への相談チャット例文
お疲れさまです。職場環境について少し相談があります。近くの席から頻繁に大きな咳払いが聞こえ、仕事中に集中が途切れることがあります。体調に関わることかもしれないので、本人へ直接伝えるべきか迷っています。席の調整なども含めて、一度対応を相談させていただけないでしょうか。
体調に関係する可能性があるからこそ、
「どう対応するのがよいか相談したい」
という形が使いやすいでしょう。
咳払いが「威圧」に感じる場合はどうする?
咳払いの中には、
単純な喉の違和感ではなく、
こちらが話すたびに「ンンッ!」
何かすると「エヘン!」
というように、タイミングによっては威圧的に感じるケースもあります。
ただし、本当に威圧の意図があるかどうかは分かりません。
意図を決めつけず「タイミング」を伝える
たとえば、
「私が話しているときに咳払いが入ることが何度かあって、何か問題があるのかなと気になっています。もし話し方などで気になる点があれば教えていただけますか?」
と確認する方法があります。
「嫌がらせですよね?」
と決めつけるより安全です。
直接確認しづらければ第三者へ相談する
相手が上司などで、
質問や報告のたびに咳払いをされて萎縮してしまうなら、
「私が話すタイミングで強い咳払いをされることが何度かあり、話しかけること自体が怖くなっています」
と別の上司や管理者へ相談する方法もあります。
大切なのは、
意図の認定より、自分が仕事しづらくなっている事実
です。
何度言っても咳払いが改善しない場合
一度伝えても改善しないことはあります。
そもそも本人にもコントロールしづらい可能性があります。
2回目は「まだ仕事に影響している」と伝える
「以前も少しお話ししたのですが、咳払いの音がまだかなり頻繁に聞こえていて、集中が途切れる状態が続いています。難しいこともあると思うのですが、もう少し配慮していただけると助かります」
1回目より少しはっきり伝えます。
ただし、
「今またやりましたよね」
と、その都度カウントするのはおすすめしません。
こちらもいつの間にか、
咳払い記録係
になってしまいます。
本業へ戻りましょう。
改善しないなら環境側を変える
本人が努力しても改善しづらい場合は、
- 席を離してもらう
- 集中作業を別スペースで行う
- 上司へ環境調整を相談する
- 耳栓などを使う
といった方法も考えましょう。
相手の身体的なクセを完全になくすより、
自分との距離を変える方が現実的
なケースもあります。
咳払いを注意するときに避けたい言い方
咳払いが何十回も続くと、こちらもかなりイライラします。
しかし次のような表現は避けた方がいいでしょう。
体調や人格を攻撃する言い方
- 「喉おかしいんじゃないですか?」
- 「ずっと咳払いしてて気持ち悪いです」
- 「わざとやってます?」
- 「うるさいんですけど」
- 「毎日何回やるんですか?」
- 「聞いてるこっちが病気になりそうです」
強烈に言いたくなる瞬間があっても、
実際に口に出すと問題が別方向へ進みます。
こちらが止めたいのは、
相手ではなく、頻繁に聞こえる音
です。
「みんな言っている」と言わない
「みんな咳払いがうるさいって言ってますよ」
も危険です。
相手から、
「誰が?」
と聞かれれば、また始まります。
職場内・犯人を捜せ選手権。
必要ありません。
「私は仕事中に気になっています」で十分です。
本人に言えない場合は音から距離を取る
咳払いは体調が絡む可能性があるため、
どうしても指摘しづらい人もいるでしょう。
そんな場合は、無理に直接言わなくても構いません。
席を離す・集中場所を変える
可能であれば、
- 席を少し離してもらう
- 集中作業を会議室などで行う
- 耳栓を使う
- ノイズキャンセリングイヤホンを使う
などを検討します。
ただし、咳払いのような突然の音は、ノイズキャンセリングでも完全には消えないことがあります。
実際の音対策についてはこちらの記事も参考にしてください。
→ WF-1000XM5でも鼻すすり・咀嚼音・咳払いは消えなかった(体験談)
→ Loop Engage2 Plusは私には逆効果だった(体験談)鼻すすり・ズーズー音が“クリア”に聞こえた理由
相手を治す役目まで背負わない
咳払いが気になると、
「何で改善してくれないんだろう」
と思うこともあります。
でも、
相手の喉を完全に管理することはできません。
伝える。
相談する。
距離を取る。
自分の集中を守る。
そこまでで十分です。
鼻すすり・ため息など「体から出る音」は言いにくい
咳払いと同じく、体調や無意識のクセが絡みやすい音は注意しづらいものです。
- 職場の鼻すすりをやめてほしい|角が立たない言い方と上司への相談例
- 職場のため息がうるさい人にやめてほしい|本人への伝え方と上司への相談例
- 大きなくしゃみをする人に静かにしてほしいと伝えていい?(準備中)
- 独り言がうるさい同僚への伝え方|本人への注意と上司への相談(準備中)
PC周辺の音はこちら。
職場の音問題をまとめて見たい人はこちらです。
→ 職場の「うるさい人」がしんどい…ストレスになる音一覧と静かに生き残る対処法
まとめ|咳払いそのものより「頻度と仕事への影響」を伝える
職場で咳払いがうるさい人に困っている場合、
「咳払いをやめて」ではなく、「頻繁に聞こえて集中が切れている」と伝える
のが基本です。
相手に体調上の事情がある可能性はあります。
だからこそ、
病気を決めつけない。
治療方法を指示しない。
人格を攻撃しない。
そのうえで、
自分が仕事中に困っている事実は伝えていい。
直接言いづらければ上司へ相談しても構いません。
席を離すなど、環境側から解決する方法もあります。
毎回、
「ンンッ!」
と聞こえるたびに、こちらまで喉を締め付けられたような気分になる必要はありません。
相手の喉は相手のもの。
あなたが守るのは、
自分の集中力です。